2025年夏、「中央区立京橋図書館(本の森ちゅうおう)」で、読書をもっと楽しむきっかけになるワークショップを開催しました。テーマは、「夏に本が読みたくなるような読書ノートとしおりをつくろう」。
参加したのは、小学3年生から6年生までの12人。夏休みの読書がちょっと楽しみになるような「きっかけ」をつくる90分間のプログラムが展開されました。
世界でひとつ、自分だけの読書ノートをつくる
今回のワークショップでは、あえて本を“読み切る”ことをゴールにせず、「もっと本を読んでみようかな」という“入り口”の体験に重きを置きました。

ワークショップのメインは「自分だけの読書ノート」のための表紙をデザインすること。
オリジナルのロゴをつくって表紙をつくるという内容です。学校などに用いられることが多い「エンブレム」を下地に、自分だけのキャラクターをコラージュでデザインしていきます。
エンブレムの形を決め、新聞紙でキャラクターを切り抜いて貼っていきます。色紙、英字新聞を重ねてコラージュしていくことで、手書きでは出せないテイストが出てきます。

このエンブレムづくりに、どのお子さんも夢中。好きな動物をモチーフにした子、ユニークなフォルムのオリジナルキャラクターを生み出した子、どのロゴも個性に溢れていて、手に取りたくなるようなデザインばかり。
こちらが用意した目玉シールでは飽き足らず、自分で目を手描きする子など、子どもたちの創造性に驚かされました。

書くのが苦手でも大丈夫。「レビュー」の入り口をつくる
読書ノートの中身には、あらかじめさまざまなワークシートを用意。
その一部をご紹介すると:
読むログシート:短いレビューや読んだ本のタイトル、読みはじめた日、ひとことメモを記録
推しキャラ分析シート:好きな登場人物/キャラクターを選んで、性格や行動、セリフなどからどんな人物/キャラなのかを深掘り分析できるシート
セリフメモシート:印象に残ったセリフ、覚えておきたい言葉などを書き込んでおけるシート
などなど。


ワークショップでは、これらのシートを「好きなものを選んでOK」という形で紹介。文章を書くことに苦手意識がある子でも、「ぜんぶ書かなくていい」「○をつけるだけでもいい」といった自由度の高さから、気負わずにスタートできる設計になっています。
自分の気持ちをはさむ「しおり」
最後は、もうひとつのアイテムづくり、「気持ちしおり」の時間。
これは、読書中に感じたことを「しおり」として記録し、ページの間に“気持ち”をはさんでおけるツールです。

しおりには、たとえばこんなテーマがあります:
- ドキドキした!
- いい場面だった!
- ちょっとつまらなかった…
- あとで誰かに話したい!
「これ、感想文を書くときに使える!」
「この場面、まさにドキドキって感じだったから、これはさんどこ」

読書は「終わったあとにふり返るもの」だけでなく、「読んでいる最中から感じるもの」として子どもたちの中で再定義されていくようでした。
本とのつきあい方に“もうひとつの選択肢”を
ワークショップ終了後、参加した子どもたちのノートは、どれも個性的でカラフル。「しおりもっと作りたい」といった声も聞こえてきました。

読書感想文だけが「読書のアウトプット」ではなく、「読んで感じたことを、ちょっとメモしてみる」「友だちにすすめたくなる本を見つける」といった小さな表現も立派な第一歩。
この夏の読書が、子どもたちにとって“やらなきゃ”ではなく、“もっとやってみたい”に変わっていく——そんな未来を感じるワークショップでした。
【イベントについて】
中央区立京橋図書館(本の森ちゅうおう)主催:「読書ノートをつくろう」ワークショップ
日時:2025年7月24日
場所:東京都中央区立京橋図書館(本の森ちゅうおう)
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